のどかな、ある日(ひ)のことでした。
日(ひ)なたで、甲羅(こうら)干(ぼ)しをしながら、うとうとしている、カメのそばを、
友(とも)だちのウサギが通(とう)りかかりました。
「こんなに、いい天氣(てんき)だっていうのに、君(きみ)は、頭(あたま)も手足(てあし)もすっかり引(ひ)っ込(こ)めて、お昼寝(ひるね)かい」
「おはよう」と、カメは目(め)をさまして、甲羅(こうら)の中(なか)から言(い)いました。
「ぼく、甲羅(こうら)を干(ほ)して丈夫(じょうぶ)にしているところなんだ」
「甲羅(こうら)ならもう、すっかり丈夫(じょうぶ)だよ。さあ、起(お)きた、起(お)きた」
ウサギは、しっぽを引張(ひっぱ)ってカメが甲羅(こうら)から出(で)るのを手伝(てつだ)いました。
「さてと、カメ君(くん)。君(きみ)は、もっと野山(のやま)を駆(か)け巡(めぐ)って、足(あし)を鍛(きた)えなくてはいけないよ」
「ありがとう、ウサギ君(くん)。だけど、ぼくの足(あし)は、もう、十分(じゅうぶん)に丈夫(じょうぶ)だよ」
「だめだめ、そんなことは、ぼくと駆(か)けっこをして、勝(か)ったら言(い)えることさ。よし、それじゃあ、むこうの山(やま)の麓(ふもと)まで、どちらが先(さき)に着(つ)くかの競爭(きょうそう)だよ。ヨーイドン」
ウサギは、せっかちに、さっさとスタートの線(せん)を引(ひ)くと、飛(と)び出(だ)しました。しかたなく、カメも、のそのそと出発(しゅっぱつ)しました。
山(やま)の麓(ふもと)までの道(みち)を、もう半分(はんぶん)以上(いじょう)走(はし)ったウサギは、立(たち)どまって、さっき来(き)た道(みち)を振(ふ)り返(かえ)りました。
もちろん、カメは、まだずっと遠(とお)くですから、見(み)える訳(わけ)がありません。
「思(おも)い切(き)り走(はし)ったから、少(すこ)し疲(つか)れたよ。どうせ、カメ君(くん)は、まだまだ、追付(おいつ)きっこないんだ。一休(ひとやす)みして昼寝(ひるね)をしたって、十分(じゅうぶん)間(ま)に合(あ)うさ」
カメは、わき目(きめ)も振(ふ)らず、山(やま)の麓(ふもと)を目指(めざ)しました。
ウサギが、昼寝(ひるね)をしていた木陰(こかげ)のそばも、わき見(きみ)もせず、まっしぐらに通(とう)り拔(ぬ)けて、一番(いちばん)に山(やま)の麓(ふもと)に着(つ)きました。
寝過(ねす)ごして、しばらくしてから、慌(あわ)ててやってきたウサギに、カメは、言(い)いました。
「ほら ね、ぼくの足(あし)は、丈夫(じょうぶ)だよ」
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