大学1年(教養部8F44)の時は、松本市の郊外(松本市外本郷村惣社423)にあった農家に下宿した。下宿代が安かったからであるが、後でその理由を知ることになる。 農家のはなれに4人の学生が下宿していた。ある日、夕食時に明日朝6時に起床するように頼まれた。田植えをするというのである。秋には稲刈りもした。稲刈りの終わった日の夕食は、とても豪華だった。おかげて、農家の仕事も一通り学ぶことができた。 農家には、小学生の女の子がいたのだけれど、その娘は、よく宿題をもって私の部屋に来ていた。松本市は、標高600メートルの盆地である、周りを高い山で囲まれていて雪は多くはなく、乾燥して冷え込みが激しかった。地面が凍てつき風が吹くと水道の蛇口に静電気が走った。 ある夜、銭湯に行った帰り道、何やらチャランチャランと音がした。不思議に思って立ち止まると、その音も止まった。氷のお化けでも出てのかと思ったが、下宿..